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「春の愁い」はるのうれい

『うららかななか、浮き

彫りになる哀愁』

日も長くなり、暖かくなる

季節なのに、周囲の明るさ

とは対照的に、これといった

理由もなく気持ちがふさぐ、

という哀愁に近い情緒を表現

する言葉です。

「哀愁」「旅愁」というときの

「愁い」は日本独特の情緒を

表していますが、なかでも

「春の愁い」は日本的な季節

感と同時に女性的な甘さのあ

る言葉で、秋の同じような

言葉である「愁思」の、根

源的的な「もののあはれ」と

は対照的な意味です。

生理学的にも春と秋は、心身

が季節の変化に追いつけず、

自律神経が失調しやすいとい

われ、

はらはらと散る花びらにも涙

するような心境に陥りやすく、

実際、春と秋は夏冬に比べ、

鬱状態になりやすい季節でも

あります。

同じ「うれい」でも「憂い」

と書くと、心配や不安など

現実的・処世的な意味合い

に比重のある憂鬱感が強く

なります。